労働衛生 / 健康管理・就業配慮
健康診断は「受けて終わり」ではない。結果を就業上の措置までつなぐ
健康管理は「健診を予約して受けさせる」だけではありません。結果を記録し、本人へ通知し、異常所見があれば医師等の意見を聴き、必要なら仕事の条件や作業環境を変えるところまでが管理の流れです。
00 / 管理の流れ
健診結果を「紙で保管して終わり」にしない
- 01対象となる健康診断を実施
雇入時、定期、特定業務従事者など、対象と頻度を条件ごとに確認します。
- 02結果を記録し、本人へ通知
健康診断個人票を作成・保存し、対象労働者本人へ結果を遅滞なく通知します。
- 03異常所見があれば医師等の意見を聴く
必要な措置について専門職の意見を得て、健康診断個人票へつなげます。
- 04仕事側を変える
必要があれば就業場所、作業内容、労働時間、深夜業、作業環境や設備などを見直します。
- 05保健指導・健康保持へつなぐ
健康保持に特に努める必要がある場合の保健指導も、健診後の流れとして扱います。
01 / 健診の種類
「年1回」だけで全部を判断しない
雇入時
常時使用する労働者を雇い入れるときの健康診断です。一定期間内の健診結果を証明する書面がある場合には相当項目の例外があります。
定期
常時使用する労働者について原則1年以内ごとに1回。ただし特定業務従事者は別の周期・条件を確認します。
特定業務従事者
安衛則13条1項3号の対象業務へ常時従事する労働者は、配置替え時と6月以内ごとに1回という別条件があります。
02 / 雇入時との境界
「雇入時健康診断があるから採用選考で健診必須」ではない
大阪労働局は、安衛則43条の雇入時健康診断は、雇い入れた際の適正配置や入職後の健康管理に役立てるための制度であり、採用選考時に実施することを義務付けたものでも、応募者の採否を決めるためのものでもないと説明しています。
03 / 健診後
異常所見を「本人に病院へ行って」で終わらせない
異常所見があると診断された労働者については、事業者が健康保持に必要な措置に関する医師又は歯科医師の意見を聴きます。その意見を勘案して必要がある場合、就業場所や作業の変更、労働時間短縮、深夜業回数の減少、作業環境測定、設備整備等へつなげます。
つまり、健康管理は「本人の自己管理」だけではなく、作業条件や職場環境を会社側で変える安全衛生管理とも直接つながります。
04 / 記録・通知
会社が持つ記録と、本人へ返す結果を分けて管理する
対象となる健康診断では健康診断個人票を作成し、5年間保存します。また、健診結果は受診した労働者本人へ遅滞なく通知します。「会社が保管しているから本人通知は不要」という関係ではありません。
05 / 根拠付き労働衛生情報
義務・条件付き・努力義務を分けて確認する
事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより医師による健康診断を行わなければならない。
常時使用する労働者を雇い入れるときは、安衛則第43条に定める項目について医師による雇入時健康診断を行う。
常時使用する労働者を雇い入れる場合 / 健康診断後3月を経過しない者が結果を証明する書面を提出した場合の相当項目には同条ただし書の例外がある / 採用選考時の健康診断と同義にしない。雇入時健診は適正配置・入職後の健康管理に役立てるための制度で、応募者の採否を決めるためのものではない事業者は、常時使用する労働者について、安衛則第44条の条件に従い原則として1年以内ごとに1回、定期健康診断を行う。
安衛則第45条第1項に規定する特定業務従事者を除く常時使用する労働者 / 一部項目は厚生労働大臣が定める基準に基づき医師が必要でないと認める場合に省略できる条件がある安衛則第13条第1項第3号に掲げる業務へ常時従事する労働者については、配置替えの際及び6月以内ごとに1回、同則第45条の健康診断を行う。
安衛則第13条第1項第3号に掲げる業務へ常時従事する労働者 / 検査項目の省略・代替等には同条の条件がある事業者は、対象となる健康診断の結果に基づき健康診断個人票を作成し、5年間保存する。
事業者は、対象となる健康診断を受けた労働者本人へ、健康診断結果を遅滞なく通知する。
健康診断で異常の所見があると診断された労働者について、事業者は健康保持に必要な措置に関する医師又は歯科医師の意見を聴く。
安衛法第66条の4の対象となる健康診断結果で異常の所見があると診断された労働者 / 安衛則第43条等の健康診断では原則として健康診断実施日等から3月以内に意見聴取し、健康診断個人票へ記載する事業者は、健康診断後に聴取した医師等の意見を勘案し必要があると認めるときは、労働者の実情を考慮して就業場所の変更、作業転換、労働時間短縮、深夜業回数の減少等の就業上の措置や、作業環境測定・施設設備の整備等の適切な措置を講ずる。
安衛法第66条の4による医師又は歯科医師の意見を勘案し、必要があると認める場合 / 個別労働者の実情を考慮して措置内容を決める事業者は、健康診断結果から特に健康保持に努める必要があると認める労働者に対し、医師又は保健師による保健指導を行うよう努める。
安衛法第66条の7第1項の対象となる健康診断結果で、特に健康保持に努める必要があると認める場合労働者は、通知された健康診断結果と保健指導を利用して、自らの健康保持に努める。
06 / 根拠資料
確認した資料と場所
- 労働安全衛生法第66条第1項「健康診断」 / 確認日 2026-09-03原典を確認する
- 労働安全衛生規則第43条「雇入時の健康診断」 / 確認日 2026-09-03原典を確認する
- 採用選考時の健康診断について「採用選考時の健康診断について」本文 / 確認日 2026-09-03原典を確認する
- 労働安全衛生規則第44条「定期健康診断」 / 確認日 2026-09-03原典を確認する
- 労働安全衛生規則第45条「特定業務従事者の健康診断」 / 確認日 2026-09-03原典を確認する
- 労働安全衛生法第66条の3「健康診断の結果の記録」 / 確認日 2026-09-03原典を確認する
- 労働安全衛生規則第51条「健康診断結果の記録の作成」 / 確認日 2026-09-03原典を確認する
- 労働安全衛生法第66条の6「健康診断の結果の通知」 / 確認日 2026-09-03原典を確認する
- 労働安全衛生規則第51条の4「健康診断の結果の通知」 / 確認日 2026-09-03原典を確認する
- 労働安全衛生法第66条の4「健康診断の結果についての医師等からの意見聴取」 / 確認日 2026-09-03原典を確認する
- 労働安全衛生規則第51条の2第1項「健康診断の結果についての医師等からの意見聴取」 / 確認日 2026-09-03原典を確認する
- 労働安全衛生法第66条の5第1項「健康診断実施後の措置」 / 確認日 2026-09-03原典を確認する
- 労働安全衛生法第66条の7「保健指導等」 / 確認日 2026-09-03原典を確認する