労働衛生 / 暑熱・紫外線・屋外作業

屋外作業の暑さ・日焼け対策。長袖と日焼け止めを熱中症対策と両立する

「暑いから半袖」と「日焼けするから長袖」の二択にはしません。熱中症リスクはWBGT、休憩、水分・塩分、暑熱順化、服の通気性まで含めて管理し、その上で紫外線にさらされる皮膚を衣服や日焼け止めで守ります。

主な対象
屋外・高温多湿作業
安全情報の確認
2026-09-03

00 / 現場での判断

暑さ対策と紫外線対策は、同じ作業計画の中で両立させる

01まずWBGTと休憩

日焼け止めより先に、暑熱環境そのものを見ます。簡易屋根・日陰、涼しい休憩場所、作業休止や休憩時間を確保します。

02水分・塩分は計画して取る

作業前後と作業中に定期補給します。WBGT基準値を超える場合は、20〜30分ごとにカップ1〜2杯程度という行政上の目安もあります。

03長袖・襟付きはUV対策になる

環境省は、袖が長く襟付きの衣服など、身体を覆う部分が多い服を紫外線対策として示しています。

04覆えない所は日焼け止め

顔や首元など衣服で覆えない皮膚へ使用します。汗やタオルで落ちるため、必要に応じて重ね塗りし、2〜3時間おきの塗り直しも目安です。

01 / 熱中症

「水を飲め」だけでなく、環境・時間・順化まで管理する

A

日陰・簡易屋根
直射日光や輻射熱を受け続ける場所では、簡易な屋根や遮へい物などでWBGT値を下げる方法を検討します。

B

涼しい休憩場所
作業場所から速やかに利用できる位置へ休憩場所を用意します。休憩を「時間が余ったら取る」にしません。

C

暑熱順化
暑さに慣れていない時期、休み明け、配置変更などでは、いきなり通常負荷へ戻しません。厚労省は、7日以上かけて暑熱ばく露時間を徐々に延ばす方法を一例として示しています。

D

服装
粉じん・飛散・紫外線を防ぐため肌を覆う必要があっても、透湿性・通気性の良い素材や身体冷却機能を使い、熱をこもらせない方向で調整します。

02 / 水分・塩分

WBGT基準値超過時には、補給間隔まで決めておく

行政上の目安 WBGT値がWBGT基準値を超える場合、厚労省は0.1〜0.2%の食塩水、ナトリウム40〜80mg/100mlのスポーツドリンク、または経口補水液等を、20〜30分ごとにカップ1〜2杯程度摂取することが望ましいという例を示しています。

一律量ではない 必要量は身体作業強度や発汗量などで変わります。塩分・糖分の摂取制限など個別の健康管理条件がある場合は、その条件を優先します。

運用 「喉が渇いた人だけ飲む」ではなく、作業計画に補給タイミングを入れ、飲料へすぐアクセスできる状態にします。

03 / 紫外線

日焼けは「見た目」の話ではなく、屋外作業のばく露として扱う

環境省のマニュアルでは、ほとんどの屋外作業が太陽光からの紫外線ばく露を受け、土木建設業はばく露が多い職業の例として挙げられています。

日焼けによる赤みや痛みが出るまで対策を待つのではなく、紫外線が強い時間帯を避ける、日陰を使う、肌を衣服で覆う、衣服で覆えない部位に日焼け止めを使う、という順で考えます。

04 / 長袖・首元

夏でも「肌を出すほど安全」とは限らない

UV

長袖・襟付き

腕、肩、首周りへの紫外線ばく露を減らします。粉じんや飛散物が直接肌へ当たる量を減らす方向にも働きます。

HEAT

通気性・透湿性

厚手で風を通さない服を重ねれば熱負荷が増えます。身体を覆う面積だけでなく、素材と換気、冷却機能を見ます。

MACHINE

身体に沿う形

首元を覆う場合も、垂れ下がるタオルや布ではなく、襟・ハイネック等の作業着側で覆う考え方を優先します。

05 / 日焼け止め

汗をかく現場では「朝に一回塗った」で終わらせない

作業前 衣服で覆えないところへ、使用する製品の説明に従って塗ります。

作業中 汗、手や衣服との接触、タオルで拭くことで落ちます。落ちたと感じたら重ね塗りし、環境省マニュアルでは2〜3時間おきの塗り直しも勧めています。

位置づけ 日焼け止めは、長時間日光に当たり続けるための免罪符ではありません。日陰、時間帯、衣服による被覆を先に使い、残る露出部を補います。

06 / 根拠のある安全情報

今回の判断に使ったSafetyClaim

行政指針

厚生労働省の熱中症防止ガイドラインは、暑熱作業でWBGT値を下げるための簡易な屋根などを検討し、速やかに利用できる涼しい休憩場所を整備するよう示している。

高温・多湿など熱中症リスクがある作業環境
行政指針

厚生労働省の熱中症防止ガイドラインは、水分と塩分を作業前後に摂取し、作業中も定期的に補給するよう示している。

暑熱環境で作業する場合
行政指針

厚生労働省は、作業場所のWBGT値がWBGT基準値を超える場合の水分・塩分補給の目安として、0.1〜0.2%の食塩水、ナトリウム40〜80mg/100mlのスポーツドリンクまたは経口補水液等を20〜30分ごとにカップ1〜2杯程度摂取することが望ましいとしている。

作業場所のWBGT値がWBGT基準値を超える場合の目安 / 必要な摂取量は身体作業強度等により異なる / 塩分や糖分の摂取制限がある場合などは個別の健康管理条件を優先する
行政指針

厚生労働省の熱中症防止ガイドラインは、暑さに慣れていない作業者について計画的に暑熱順化の期間を設けるよう示している。

暑熱環境での作業を開始・再開する場合など、暑熱順化が十分でないとき
行政指針

厚生労働省は、暑熱順化の例として、暑さに慣れていない状態から7日以上かけて熱へのばく露時間を徐々に長くする方法を示している。

暑熱環境での作業を開始・再開し、暑熱順化が十分でない場合の例 / 暑熱順化は個人差があるため7日を一律の完了保証として扱わない
行政指針

厚生労働省の熱中症防止ガイドラインは、暑熱作業では透湿性・通気性の良い服や、身体を冷却する機能を持つ服の着用を対策として示している。

暑熱環境で作業する場合 / 粉じん・火花・切創・紫外線など別の危険に必要な被覆を損なわない範囲で選ぶ
行政指針

環境省の紫外線環境保健マニュアルは、紫外線が強い時間帯を避け、日陰を利用して紫外線ばく露を減らすことを基本対策として示している。

屋外で太陽紫外線にばく露する作業
行政指針

環境省の紫外線環境保健マニュアルは、長袖で襟付きのシャツなど身体を覆う部分が多い衣服で、首・腕・肩などへの紫外線ばく露を減らす方法を示している。

屋外で太陽紫外線にばく露する作業 / 暑い時期は通気性・吸湿性と熱中症リスクも併せて考える
行政指針

環境省の紫外線環境保健マニュアルは、衣服で覆えない皮膚には日焼け止めを上手に使うことが効果的だとしている。

屋外で太陽紫外線にばく露し、衣服等で覆えない皮膚がある場合 / 日焼け止めを長時間の日光ばく露を正当化する代替策として扱わない
行政指針

環境省の紫外線環境保健マニュアルは、汗やタオルで日焼け止めが落ちたときは重ね塗りし、そうでない場合も2〜3時間おきに塗り直すことを勧めている。

日焼け止めを使用して屋外作業を続ける場合

07 / 根拠資料

確認した資料と場所

  1. 職場における熱中症防止のためのガイドライン 概要概要 第3「熱中症リスクに応じた措置」2「作業環境管理」 / 確認日 2026-09-03
    原典を確認する
  2. 職場における熱中症防止のためのガイドライン 概要概要 第3「熱中症リスクに応じた措置」3「作業管理」 / 確認日 2026-09-03
    原典を確認する
  3. 労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について(令和7年5月20日 基発0520第6号)3「作業管理について」(2) 水分及び塩分の摂取 / 確認日 2026-09-03
    原典を確認する
  4. 労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について(令和7年5月20日 基発0520第6号)3「作業管理について」(1) 暑熱順化の例 / 確認日 2026-09-03
    原典を確認する
  5. 紫外線環境保健マニュアル2020p.19「職場における紫外線ばく露」 / 確認日 2026-09-03
    原典を確認する
  6. 紫外線環境保健マニュアル2020p.31「紫外線の浴びすぎを防ぐには」①〜④ / 確認日 2026-09-03
    原典を確認する
  7. 紫外線環境保健マニュアル2020p.32〜39「日焼け止めを上手に使う」 / 確認日 2026-09-03
    原典を確認する