労働衛生 / 化学物質・SDS

薬品を使う前にSDSのどこを見る? 現場30秒版

容器に「強力洗浄剤」「速乾シンナー」と書いてあるだけでは、皮膚に付いたときの対応も、使う手袋も判断できません。現場ではまずラベルで危険と注意事項をつかみ、SDSで作業条件に必要な情報へ降ります。

主な対象
洗浄剤・塗料・溶剤・接着剤等
安全情報の確認
2026-09-03

00 / まず確認

作業前に全部読むのではなく、事故につながる項目から見る

01容器のラベル

絵表示、危険有害性、注意書きを見て、その場で扱ってよい条件かを確認します。別容器へ移す場合も中身が分からない状態を作りません。

02SDS 2・8・11

何が危険か、換気や保護具は何か、吸入・皮膚・眼などどの経路で健康影響があるかを確認します。

03SDS 7・9・10

取扱い・保管、引火点や蒸気などの性質、混ぜてはいけない物質や反応性を確認します。

04SDS 4・6

付着・吸入等が起きたときの応急措置と、こぼしたときの封じ込め・回収方法を先に把握します。

01 / ばく露経路

「臭いが弱い」だけで安全とは判断しない

吸う

蒸気、ミスト、粉じんなど。第8項の設備対策・呼吸用保護具、第9項の物性、第11項の吸入影響を確認します。

皮膚につく

刺激・腐食だけでなく、物質によっては皮膚から吸収される健康影響もあります。第8項と第11項を確認します。

眼に入る

飛沫や手からの二次接触を含め、保護眼鏡・ゴーグル等と第4項の応急措置を確認します。

飲み込む

飲料容器への移し替え、汚染した手での飲食などを避け、第4項の対応を確認します。

02 / SDS

現場で優先して見る項目

  1. 2
    危険有害性の要約

    絵表示、危険有害性情報、注意書き。まず「何がまずいか」を把握する。

  2. 4
    応急措置

    吸入、皮膚、眼、飲み込みなど経路別の対応。一般論ではなく、その製品の指示を見る。

  3. 6
    漏出時の措置

    立入、換気、封じ込め、回収、作業者の保護具。こぼれてから検索し始めない。

  4. 7
    取扱い及び保管上の注意

    換気、接触回避、混触防止、保管条件。小分けや希釈もここに照らす。

  5. 8
    ばく露防止及び保護措置

    設備対策、管理濃度等、呼吸・眼・手・身体の保護具。手袋の「材質」だけで終わらせない。

  6. 9
    物理的及び化学的性質

    状態、沸点、引火点、蒸気等。蒸発・引火・飛散のしやすさを考える材料になる。

  7. 10
    安定性及び反応性

    避けるべき条件、混触危険物質、有害な分解生成物。「いつも混ぜている」で判断しない。

  8. 11
    有害性情報

    急性毒性、皮膚腐食・刺激、眼損傷、感作性、発がん性など。ばく露経路と合わせて見る。

  9. 15
    適用法令

    その製品・成分に関係する規制を確認する入口。個別作業への適用条件は別途確認する。

03 / よくある誤り

製品名・臭い・経験だけで決めない

「水性だから皮膚に安全」 水性かどうかだけで皮膚腐食性・感作性・経皮吸収の有無は決まりません。

「臭くないから吸っても大丈夫」 臭気の強さをばく露評価の代わりにしません。

「ゴム手袋をしたから大丈夫」 使用する化学物質に対する耐透過性と作業時間を別に確認します。

「こぼれたら水をかける」 物質によって反応性や適切な回収方法が違います。第6項・第10項を確認します。

04 / 根拠のある安全情報

今回の判断に使ったSafetyClaim

行政資料

化学物質を扱う前は、容器のラベルだけでなくSDSを確認し、危険有害性、応急措置、漏出時の措置、取扱い・保管、ばく露防止・保護具、物性、反応性、有害性、適用法令などを作業条件と照らして確認する。

化学物質または化学物質を含む製品を使用・希釈・移し替え・清掃等で取り扱う場合
行政資料

化学物質が皮膚・眼に付着したり吸入・誤飲した場合の応急措置は一律に決めず、使用製品のSDS第4項「応急措置」でばく露経路別の対応を確認する。

化学物質への意図しないばく露が生じた場合
行政資料

化学物質をこぼしたときは、素手や通常のウエスで反射的に処理せず、SDS第6項「漏出時の措置」と第8項「ばく露防止及び保護措置」で封じ込め・回収方法と必要な保護具を確認する。

化学物質の漏えい・こぼれが発生した場合

05 / 根拠資料

確認した資料と場所

  1. 自律的な管理の進め方 ― 洗浄剤を例として ―p.31〜36「GHSとSDS」「SDSからわかること」「GHSラベル例」 / 確認日 2026-09-03
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