作業 / クレーン等・玉掛用具 / 玉掛け
玉掛け作業の安全・吊具点検・つり荷・技能講習と特別教育
クレーン、移動式クレーン又はデリックを用い、ワイヤロープ、チェーン、ベルトスリング、フック、シャックル等で鋼材・機械・資材を玉掛けしてつり上げ・移動・荷受けする作業を対象にします。クレーン運転資格、揚貨装置、特殊つり具固有の取扱いは別に確認します。
00 / まず確認
最初に押さえるポイント
まず重大な禁止・必要・条件付き情報を確認します。各項目の「事業者 / 労働者 / 作業者」は、誰が行う内容かを示します。
- 法令条件付き行う人: 事業者
- 法令必要行う人: 事業者
ワイヤロープ、つりチェーン、繊維ロープ・ベルト、フック、シャックル、リング等で玉掛けを行うときは、事業者はその日の作業開始前に異常の有無を点検する必要がある。
- 法令禁止行う人: 事業者
素線断線10%以上、直径減少が公称径の7%を超える、キンク、著しい形崩れ又は腐食のいずれかに該当するワイヤロープは玉掛用具として使用してはならない。
- 行政資料推奨行う人: 作業者
玉掛け時はつり荷の重心を見極め、安全な位置へ退避して合図し、地切り時につり荷の状態を確認して不安定なら着地して掛け直す。
- 法令条件付き行う人: 事業者
クレーン則第29条に列挙された玉掛け・つり方等の条件では、事業者は作業従事者がつり荷等の下へ立ち入ることを禁止する必要がある。
条件: ハッカー、単独つりクランプ、一箇所玉掛け、固定されていない複数荷、磁力・陰圧つり具、動力下降以外等、クレーン則第29条の列挙条件に該当する場合 / すべてのつり荷について第29条が同一条件で適用されるとは表示しない
玉掛け資格と、クレーンを運転する資格は同じものではありません。玉掛けでは、つり荷の質量・形状・重心、玉掛用具の安全係数と状態、掛け方、合図、退避、地切り、運搬経路、着地までを一連で管理します。資格を持っていることを、吊具点検や作業計画の代わりにはしません。
01 / 主な危険・有害要因
この作業で気をつけること
労働安全
- ワイヤロープ・チェーン・ベルトスリング・金具等の破断・外れ
- つり荷の落下による激突・下敷き
- つり荷の振れ・回転による接触・激突
- 玉掛け・荷受け・着地時の挟まれ・巻き込まれ
02 / 先に行う対策
保護具の前に確認する対策
- 01断線・摩耗・キンク・変形・き裂等の不適格な玉掛用具を使用しない
- 02荷重・形状・つり方に合う玉掛用具を安全係数・使用荷重から選ぶ
- 03玉掛用具を作業開始前に点検する
- 04つり荷の質量・形状・数量・重心を作業前に確認する
- 05外れ止め装置を備えるクレーンフックでは外れ止め装置を使用する
- 06玉掛け方法・役割・合図・運搬経路を作業前に決めて周知する
- 07玉掛け後は安全な位置へ退避してから合図する
- 08運搬経路と第三者の立入りを確認してつり荷を誘導する
- 09つり荷の下や落下・振れによる危険範囲から人を退避させる
- 10地切り時につり荷の姿勢・安定を確認し必要なら着地して掛け直す
- 11荷を着地させた後はフック・ワイヤ等が荷に引っ掛かっていないことを確認し、危険箇所から退避してから巻き上げる
- 12着地場所・まくら・歯止め等を確認し荷を安定させてから玉掛用具を外す
- 13クレーン等の作動中はつり荷・玉掛用具へ直接触れない
- 14つり角度と掛け方による張力増加を考慮して玉掛けする
- 15つり荷が不安定になったら直ちに合図して作業を中断する
製造時長さから5%を超えて伸びたつりチェーン、リンク断面直径が製造時から10%を超えて減少したもの、又はき裂があるものは玉掛用具として使用してはならない。
ストランドが切断している、又は著しい損傷・腐食がある繊維ロープや繊維ベルトは玉掛用具として使用してはならない。
変形又はき裂があるフック、シャックル、リング等の金具は玉掛用具として使用してはならない。
素線断線10%以上、直径減少が公称径の7%を超える、キンク、著しい形崩れ又は腐食のいずれかに該当するワイヤロープは玉掛用具として使用してはならない。
玉掛け用つりチェーンは、クレーン則第213条の2が定める区分に応じた安全係数以上で使用する必要がある。
クレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛け用フック又はシャックルは、安全係数5以上でなければ使用できない。
ワイヤロープ、つりチェーン、繊維ロープ・ベルト、フック、シャックル、リング等で玉掛けを行うときは、事業者はその日の作業開始前に異常の有無を点検する必要がある。
クレーンを用いる作業では、事業者は運転者と玉掛けをする者が定格荷重を常時知ることができるよう表示その他の措置を行う必要がある。
磁力・陰圧の玉掛用具、チェーンブロック、チェーンレバーホイストは定められた使用荷重等の範囲で使用し、つりクランプは用途と使用荷重等の範囲を守る必要がある。
クレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛け用ワイヤロープは、安全係数6以上でなければ使用できない。
外れ止め装置を備えるクレーンで荷をつり上げるときは、事業者はその外れ止め装置を使用する必要がある。
玉掛け用ワイヤロープ等の外れを防止する装置を備えるクレーンを用いて荷をつり上げる場合クレーンを用いる作業では、事業者は一定の運転合図を定め、原則として合図者を指名して合図を行わせる必要がある。
クレーン運転者に単独で作業を行わせる場合を除くクレーン則第29条に列挙された玉掛け・つり方等の条件では、事業者は作業従事者がつり荷等の下へ立ち入ることを禁止する必要がある。
ハッカー、単独つりクランプ、一箇所玉掛け、固定されていない複数荷、磁力・陰圧つり具、動力下降以外等、クレーン則第29条の列挙条件に該当する場合 / すべてのつり荷について第29条が同一条件で適用されるとは表示しない玉掛け時はつり荷の重心を見極め、安全な位置へ退避して合図し、地切り時につり荷の状態を確認して不安定なら着地して掛け直す。
荷を着地させて玉掛けを外した後にフックやワイヤロープ等を巻き上げるときは、それらが荷へ引っ掛かっていないことを確認し、荷が倒れた場合に巻き込まれない危険箇所の外へ退避してから巻き上げる。
荷を着地させ、フック・ワイヤロープ等を荷から離して巻き上げる場面 / 荷の形状・置き方・周囲障害物によって倒れ・移動の方向が変わるため、退避位置は現場ごとに確認する荷受けでは着地場所を確認し、必要なまくら・歯止め等で荷を安定させ、玉掛用具は着地した荷の安定を確認してから取り外す。
玉掛け者は、つり荷の質量・形状と用意された玉掛用具で安全に作業できるかを確認し、必要なら玉掛け方法又は玉掛用具の変更を要請する。
クレーン等の作動中は、つり荷や玉掛用具へ直接触れない。
玉掛用具は必要な安全係数又は使用荷重の範囲で選び、一般的な共通事項としてつり角度は原則90度以内とするなど、掛け方による張力増加を考慮する。
玉掛け方法ごとに60度以内等のより厳しい条件が示される場合があるため、90度を万能上限として扱わないつり荷が不安定になった場合は直ちにクレーン等運転者へ合図し、作業を中断する。
玉掛け作業では、役割分担、クレーン等の能力、玉掛用具、合図、荷の質量・形状、運搬経路、退避位置を作業標準又は作業計画と打合せで確認する。
03 / 保護具
必要な保護具と条件
保護具は、停止・隔離・換気・集じん・作業方法などの対策をした後に残る危険へ使います。個人で買うことで、事業者・職長に必要な対策を置き換えません。
04 / 禁止事項
やってはいけないこと
製造時長さから5%を超えて伸びたつりチェーン、リンク断面直径が製造時から10%を超えて減少したもの、又はき裂があるものは玉掛用具として使用してはならない。
ストランドが切断している、又は著しい損傷・腐食がある繊維ロープや繊維ベルトは玉掛用具として使用してはならない。
変形又はき裂があるフック、シャックル、リング等の金具は玉掛用具として使用してはならない。
素線断線10%以上、直径減少が公称径の7%を超える、キンク、著しい形崩れ又は腐食のいずれかに該当するワイヤロープは玉掛用具として使用してはならない。
05 / 教育・資格
教育や作業条件の確認
つり上げ荷重1トン以上のクレーン等の玉掛けは就業制限側、1トン未満は特別教育側です。ここでいう1トンは「実際につる荷の重さ」ではなく、対象クレーン等のつり上げ荷重による制度境界として確認します。
つり上げ荷重1トン以上のクレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛け業務は就業制限の対象であり、事業者は玉掛け技能講習修了者など法令上認められた資格者を就かせる必要がある。
つり上げ荷重1トン以上のクレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛け業務 / 揚貨装置は別の法令条件を確認する / 資格経路を玉掛け技能講習だけへ一律に限定しないつり上げ荷重1トン未満のクレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛け業務は特別教育の対象である。
つり上げ荷重1トン未満のクレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛け業務06 / 役割別まとめ
ここまでの内容を本人と事業者・職長に分けて確認する
ここまでに掲載した内容を、誰が行うかでまとめ直しています。
目的1 / 作業する本人
自分がすること
作業者・労働者が行う内容です。
- 玉掛け時はつり荷の重心を見極め、安全な位置へ退避して合図し、地切り時につり荷の状態を確認して不安定なら着地して掛け直す。
- 荷を着地させて玉掛けを外した後にフックやワイヤロープ等を巻き上げるときは、それらが荷へ引っ掛かっていないことを確認し、荷が倒れた場合に巻き込まれない危険箇所の外へ退避してから巻き上げる。
- 荷受けでは着地場所を確認し、必要なまくら・歯止め等で荷を安定させ、玉掛用具は着地した荷の安定を確認してから取り外す。
- 玉掛け者は、つり荷の質量・形状と用意された玉掛用具で安全に作業できるかを確認し、必要なら玉掛け方法又は玉掛用具の変更を要請する。
- クレーン等の作動中は、つり荷や玉掛用具へ直接触れない。
- 玉掛用具は必要な安全係数又は使用荷重の範囲で選び、一般的な共通事項としてつり角度は原則90度以内とするなど、掛け方による張力増加を考慮する。
- つり荷が不安定になった場合は直ちにクレーン等運転者へ合図し、作業を中断する。
目的3 / 作業を任せる側
事業者・職長が確認すること
設備、作業計画、教育、測定、健康管理、保護具など、事業者・職長が行う内容です。
- 製造時長さから5%を超えて伸びたつりチェーン、リンク断面直径が製造時から10%を超えて減少したもの、又はき裂があるものは玉掛用具として使用してはならない。
- ストランドが切断している、又は著しい損傷・腐食がある繊維ロープや繊維ベルトは玉掛用具として使用してはならない。
- 変形又はき裂があるフック、シャックル、リング等の金具は玉掛用具として使用してはならない。
- 素線断線10%以上、直径減少が公称径の7%を超える、キンク、著しい形崩れ又は腐食のいずれかに該当するワイヤロープは玉掛用具として使用してはならない。
- 玉掛け用つりチェーンは、クレーン則第213条の2が定める区分に応じた安全係数以上で使用する必要がある。
- クレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛け用フック又はシャックルは、安全係数5以上でなければ使用できない。
- ワイヤロープ、つりチェーン、繊維ロープ・ベルト、フック、シャックル、リング等で玉掛けを行うときは、事業者はその日の作業開始前に異常の有無を点検する必要がある。
- クレーンを用いる作業では、事業者は運転者と玉掛けをする者が定格荷重を常時知ることができるよう表示その他の措置を行う必要がある。
- 磁力・陰圧の玉掛用具、チェーンブロック、チェーンレバーホイストは定められた使用荷重等の範囲で使用し、つりクランプは用途と使用荷重等の範囲を守る必要がある。
- クレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛け用ワイヤロープは、安全係数6以上でなければ使用できない。
- つり上げ荷重1トン以上のクレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛け業務は就業制限の対象であり、事業者は玉掛け技能講習修了者など法令上認められた資格者を就かせる必要がある。
- 外れ止め装置を備えるクレーンで荷をつり上げるときは、事業者はその外れ止め装置を使用する必要がある。
- クレーンを用いる作業では、事業者は一定の運転合図を定め、原則として合図者を指名して合図を行わせる必要がある。
- クレーン則第29条に列挙された玉掛け・つり方等の条件では、事業者は作業従事者がつり荷等の下へ立ち入ることを禁止する必要がある。
- つり上げ荷重1トン未満のクレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛け業務は特別教育の対象である。
- 玉掛け作業では、役割分担、クレーン等の能力、玉掛用具、合図、荷の質量・形状、運搬経路、退避位置を作業標準又は作業計画と打合せで確認する。
07 / 根拠資料
確認した資料と場所
- クレーン等安全規則厚生労働省
第216条「不適格なつりチェーンの使用禁止」
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - クレーン等安全規則厚生労働省
第218条「不適格な繊維ロープ等の使用禁止」
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - クレーン等安全規則厚生労働省
第217条「不適格なフック、シャックル等の使用禁止」
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - クレーン等安全規則厚生労働省
第215条「不適格なワイヤロープの使用禁止」
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - クレーン等安全規則厚生労働省
第213条の2「玉掛け用つりチェーンの安全係数」
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - クレーン等安全規則厚生労働省
第214条「玉掛け用フック等の安全係数」
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - クレーン等安全規則厚生労働省
第220条「作業開始前の点検」
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - クレーン等安全規則厚生労働省
第24条の2「定格荷重の表示等」
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - クレーン等安全規則厚生労働省
第219条の2「使用範囲の制限」
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - クレーン等安全規則厚生労働省
第213条「玉掛け用ワイヤロープの安全係数」
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - 労働安全衛生法厚生労働省
第61条第1項「就業制限」
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-02確認) / 確認日: 2026-09-02
原典を確認する - 労働安全衛生法施行令厚生労働省
第20条第16号
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - クレーン等安全規則厚生労働省
第221条
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - クレーン等安全規則厚生労働省
第20条の2「外れ止め装置の使用」
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - クレーン等安全規則厚生労働省
第25条「運転の合図」
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - クレーン等安全規則厚生労働省
第29条「立入禁止」
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - 労働安全衛生法厚生労働省
第59条第3項「危険又は有害な業務に関する特別の教育」
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-02確認) / 確認日: 2026-09-02
原典を確認する - クレーン等安全規則厚生労働省
第222条
資料の版・識別: 現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - 玉掛け作業の安全に係るガイドラインの策定について(基発第96号)厚生労働省
別添 第3 4(2)〜(4)(PDF 4頁)
資料の版・識別: 平成12年2月24日 基発第96号・厚生労働省現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - 実際に発生した災害事例(クレーン)岐阜労働局
「荷をおろした後ワイヤロープを巻き上げる際、フックが荷に引っ掛かり、荷が倒れて作業者に激突した」
資料の版・識別: 岐阜労働局掲載版(2026-09-04確認) / 確認日: 2026-09-04
原典を確認する - 玉掛け作業の安全に係るガイドラインの策定について(基発第96号)厚生労働省
別添 第3 5(1)〜(3)(PDF 4〜8頁)
資料の版・識別: 平成12年2月24日 基発第96号・厚生労働省現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する - 玉掛け作業の安全に係るガイドラインの策定について(基発第96号)厚生労働省
別添「玉掛け作業の安全に係るガイドライン」第3 1〜3(PDF 2〜3頁)
資料の版・識別: 平成12年2月24日 基発第96号・厚生労働省現行掲載版(2026-09-03確認) / 確認日: 2026-09-03
原典を確認する