現場安全ガイド / 手袋

電動工具で手袋は着ける? 回転・巻込み・振動から判断する

「回転工具だから手袋は禁止」「危ない作業だから必ず手袋」のどちらも、工具名だけでは決められません。実際の作業、接触・巻込み・振動・化学物質などの危険、そして使用機種の取扱説明書を分けて確認します。

主な対象
手持ち動力工具を使う作業
安全情報の確認
2026-09-02

00 / 先に結論

手袋は「工具カテゴリ」ではなく条件で決める

01メーカーの禁止を最優先で確認

同じディスクグラインダーでも、Makitaの対象機種では軍手などの布製手袋が明示的に禁止されています。

02「手袋を使う」機種もある

HiKOKIの対象機種では、用途に応じた保護具の一つとして手袋が挙げられています。工具名だけで一律禁止にはできません。

03振動には防振手袋という別の目的がある

厚労省の振動障害予防対策指針では、対象となる振動工具で防振手袋等の支給・使用を示しています。

04手袋だけで危険源対策を置き換えない

振動ばく露時間の管理や工具の点検など、上流の対策を先に行います。

01 / 実例比較

同じ「電動工具」でも扱いが違う

作業・機種手袋の扱いGROUNDでの判断
Makita 9533/9535系
金属研削
軍手などの布製手袋を禁止布製手袋は使用しない。別の手袋へ勝手に読み替えない。
HiKOKI G10SH6/G10SL6
金属研削
用途に応じた保護具として手袋を列挙用途・飛散物等と取説に合わせて選ぶ。
電動ハンマー
コンクリートはつり
厚労省指針で防振手袋等を支給・使用防振手袋をA(8)や休止時間管理の代わりにしない。
Makita MUR015G系
草刈り
防振手袋をメーカーが指定対象機種ではメーカー要求として着用する。

02 / 判断順序

買う前・着ける前に確認する4点

  1. 01
    実際の作業と危険を特定する

    回転部への接触・巻込み、振動、飛散、薬品の皮膚接触など、手を守りたい危険と手袋が新たに生む危険を分けます。

  2. 02
    使用機種の取扱説明書を確認する

    「布製手袋禁止」「用途に応じて手袋」「防振手袋」など、メーカー固有の記載を工具一般へ拡張しません。

  3. 03
    法令・行政指針の条件を確認する

    皮膚・眼障害や対象化学物質では法令上の保護手袋規定があり、対象となる振動工具では行政指針に防振手袋等の規定があります。

  4. 04
    手袋より先の対策を残す

    ガード、停止確認、振動ばく露時間の管理、作業方法の改善などを手袋だけで済ませません。

03 / 根拠別

法令・行政指針・メーカー要求を分ける

法令条件付き事業者

皮膚や眼への障害、有害物の皮膚吸収・侵入などのおそれがある業務では、事業者は労働者に使用させるため、保護手袋、履物、保護メガネなどの適切な保護具を備える必要がある。

第594条第1項に該当する皮膚・眼への障害または有害物の皮膚吸収・侵入等のおそれがある業務
法令条件付き事業者

皮膚等障害化学物質等を製造・取り扱う対象業務では、事業者は不浸透性の保護衣、保護手袋、履物、保護メガネなどの適切な保護具を労働者に使用させる必要がある。

第594条の2第1項の皮膚等障害化学物質等を製造し、または取り扱う対象業務 / 他の法令で保護具の使用が義務付けられている業務や、密閉して製造・取り扱う業務を除く
行政指針指針事業者

厚生労働省の振動障害予防対策指針では、対象となる振動工具の作業で、軟質で厚い防振手袋等を支給し、作業者に使用させるとしている。

チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針の対象業務
メーカー禁止作業者

Makita 9533/9535系では、軍手などの布製手袋を使用しないよう指定されている。

Makita 9533/9535系を使用する場合
メーカー禁止作業者

Makita GA017G/GA018Gでは、軍手などの布製手袋を使用しないよう指定されている。

Makita GA017G/GA018Gを使用する場合
メーカー条件付き作業者

HiKOKI G10SH6/G10SL6では作業者用保護具の着用を求め、用途に応じてフェイスシールド、安全ゴーグルまたは保護メガネ、防じんマスク、防音保護具、手袋、作業用エプロンを使うよう示している。

HiKOKI G10SH6/G10SL6を使用する場合 / 用途、飛散物、粉じん、騒音等に応じて保護具を選ぶ
行政指針指針事業者

厚生労働省の振動障害予防対策指針では、防振保護具として軟質で厚い防振手袋等を支給し、作業者に使用させるとしている。

振動ばく露時間の抑制や低振動工具の選定等を代替するものとして扱わない
メーカー必要作業者

Makita MUR015G/MUR016G/MUR017G/MUR018Gでは、保護帽、耳栓、保護メガネ・ゴーグル、防振手袋、先しん入りで滑り止め付きの安全靴、すね当てを着用するよう指定されている。

Makita MUR015G/MUR016G/MUR017G/MUR018Gを使用する場合

04 / 作業別

具体的な作業ページで確認する

05 / 根拠資料

確認した資料と場所

  1. 労働安全衛生規則第594条第1項 / 確認日 2026-09-02
    原典を確認する
  2. 労働安全衛生規則第594条の2第1項 / 確認日 2026-09-02
    原典を確認する
  3. チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針について(平成21年7月10日 基発0710第2号)別紙10(1)「防振保護具」 / 確認日 2026-09-02
    原典を確認する
  4. ディスクグラインダ 9533/9535系 取扱説明書p.11「ディスクグラインダ安全上のご注意」警告21 / 確認日 2026-09-02
    原典を確認する
  5. 充電式ディスクグラインダ GA017G/GA018G 取扱説明書p.14「充電式ディスクグラインダ安全上のご注意」警告12 / 確認日 2026-09-02
    原典を確認する
  6. 電気ディスクグラインダ G10SH6/G10SL6 取扱説明書p.3「作業に対する安全指示」g / 確認日 2026-09-02
    原典を確認する
  7. チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針について(平成21年7月10日 基発0710第2号)別紙10「保護具の支給及び使用」 / 確認日 2026-09-02
    原典を確認する
  8. 充電式草刈機 MUR015G/MUR016G/MUR017G/MUR018G 取扱説明書p.18「草刈機安全上のご注意」保護具・服装 / 確認日 2026-09-02
    原典を確認する