労働衛生ガイド / 騒音

耳栓とイヤーマフはどう選ぶ? 遮音しすぎにも注意する

音を強く遮ればよい、とは限りません。厚生労働省の騒音障害防止ガイドラインでは、まず騒音そのものや音が伝わる経路への対策を行い、そのうえで必要な遮音ができる耳栓・イヤーマフを選びます。警告音や会話を聞く必要がある作業では、遮音しすぎにも注意します。

主な対象
手持動力工具などの騒音作業
情報の確認日
2026-09-02〜2026-09-03

00 / 先に結論

一番強く音を遮る物を選ぶ前に、作業条件を見る

01まず騒音そのものを下げる

耳栓やイヤーマフだけに頼らず、設備や作業方法で騒音を下げられないか先に確認します。

02必要な遮音を確保する

JIS T 8161-1による遮音値を目安にし、必要以上に強く音を遮る製品を機械的に選びません。

03警告音や会話が必要なら遮音しすぎに注意

危険を知らせる音や会話を聞く必要がある作業では、安全上必要な音まで聞こえにくくしないようにします。

04非常に大きな騒音では耳栓とイヤーマフの併用も検討する

騒音の大きさや種類、作業内容によっては、耳栓とイヤーマフを一緒に使う方法もあります。

01 / 騒音条件

85dBと90dBは、同じルールではない

条件公式資料で求められていること読むときの注意
手持動力工具
継続的に85dB未満ではない
2023年騒音障害防止ガイドラインでは、従事労働者に聴覚保護具を使用させる。「工具だからいつでも必要」という意味ではなく、ガイドラインに書かれた騒音条件と一緒に確認する。
対象振動工具
90dB(A)以上
振動障害予防対策指針では、耳栓または耳覆いを支給し、使用させる。85dBの条件とは別の行政指針なので、同じルールとして扱わない。
強烈な騒音を発する場所安衛則595条では、事業者が耳栓その他の保護具を備える。法令と行政指針の数値を勝手に同じ基準へ置き換えない。
非常に強烈な騒音騒音ガイドライン解説では、耳栓とイヤーマフの併用が有効。すべての作業で併用するのではなく、騒音の大きさや種類と必要な遮音で決める。

02 / 選び方

耳栓・イヤーマフを選ぶ順番

  1. 01
    騒音の大きさを確認する

    測定値や作業条件から、どの行政指針や法令の条件に当てはまるか確認します。

  2. 02
    設備や作業方法で騒音を下げられないか先に見る

    機械、工程、作業方法などを変えて騒音を下げ、耳栓やイヤーマフだけに頼らないようにします。

  3. 03
    必要な遮音と、正しく付けられるかを見る

    騒音の大きさや種類、作業内容に合わせて選び、正しく付けられる物を使います。

  4. 04
    警告音や会話を聞けるか確認する

    安全上必要な周囲の音や会話まで聞こえなくならないようにします。

03 / 製品を見る

数値の大きさだけでなく、その現場で使えるかを見る

以下はランキングではありません。メーカー公式情報を、先に決めた必要な条件と見比べた製品例です。JIS T 8161系の周波数別値、NRR、SNRなどは測り方が違うため、数値だけを並べて優劣を決めません。

  1. 製品仕様で確認
    遮音値と試験方法を公式仕様で確認する

    製品の遮音性能は、周波数別遮音値やSNR・NRR等の数値だけでなく、その試験方法・規格とセットで確認する。厚生労働省の国内選定ではJIS T 8161-1による遮音値が目安とされており、異なる評価法の数値を同一尺度として単純比較しない。

  2. 現場で確認
    現場騒音に対して必要十分な遮音か確認する

    実際の騒音レベル・周波数特性・作業時間と製品の遮音性能を照合し、必要以上の遮音を避ける。警報音、周囲音、会話等を聞く必要がある作業では、遮音値が大きい製品を機械的に優先しない。

  3. 現場で確認
    耳栓・イヤーマフ・併用を作業条件から選ぶ

    耳栓かイヤーマフか、または非常に強烈な騒音で併用するかを、騒音特性、作業内容、他の保護具との干渉、着脱頻度等から判断する。製品の遮音値だけで形状を決めない。

トーヨーセフティー

No.3000 イヤーマフ

公式仕様確認
形状
イヤーマフ
遮音値・試験法
125Hz 17.2dB / 250Hz 18.6dB / 500Hz 21.9dB / 1000Hz 28.8dB / 2000Hz 29.5dB / 4000Hz 33.0dB / 8000Hz 34.9dB / SNR 25dB。JIS T 8161-1による
製品重量
約148g
遮音値と試験方法を公式仕様で確認する公式仕様で確認済み

周波数別遮音値、SNR、JIS T 8161-1による値を現行公式製品ページで確認できる。

現場騒音に対して必要十分な遮音か確認する現場で使えるか確認が必要

掲載遮音値は確認できるが、実際の騒音レベル・周波数特性・警報音や会話の必要性に対して必要十分かは現場で判断する。メーカーも聴覚保護具装着時に聞こえる音の大きさと、警報音・指示事項が聞き取りにくくなる危険を踏まえた選定を案内している。

耳栓・イヤーマフ・併用を作業条件から選ぶ現場で使えるか確認が必要

イヤーマフという形状は確認できるが、作業内容、他の保護具との干渉、着脱頻度、耳栓との併用要否は現場条件で確認する。

メーカー公式仕様を確認する
MOLDEX

Rockets 6400

公式仕様確認
形状
再使用可能耳栓・コードなし(品番6400)
遮音値・試験法
NRR 27dB / ANSI S3.19-1974準拠の第三者機関試験
再使用・保管
洗浄して再使用可能。Pocket-Pakキャリーケース付属
梱包単位
50ペア/箱
保管期限
5 Years
遮音値と試験方法を公式仕様で確認する公式仕様で確認済み

NRR27dBとANSI S3.19-1974という試験法を公式製品ページで確認できる。JIS T 8161-1による値と同一尺度として直接比較しない。

現場騒音に対して必要十分な遮音か確認する現場で使えるか確認が必要

NRR値は確認できるが、実際の現場騒音に対して必要十分か、必要以上の遮音にならないかは現場で評価する。メーカーの簡易フィット確認で装着状態も確認する。

耳栓・イヤーマフ・併用を作業条件から選ぶ現場で使えるか確認が必要

再使用可能耳栓という形状と装着手順は確認できるが、作業条件・着脱頻度・本人の耳へのフィット・他の保護具・イヤーマフ併用要否は現場と本人で判断する。

付けやすさ・快適さについてメーカーが出している情報

メーカー説明フランジ・グリップメーカーはエアクッション付きの柔軟なフランジと根元グリップにより、装着性と快適性を高める設計と説明している

「メーカー説明」は、GROUNDが実際に使って確認した結果ではありません。
メーカー公式仕様を確認する

購入先はまだ掲載していません。 現在はメーカー公式仕様まで確認できます。購入先を追加する場合も、健康障害防止に必要な条件と、安全上必要な警告音・会話の聞こえ方を確認した後に表示します。

04 / 根拠の種類

法令・行政資料・メーカー資料を分けて見る

根拠の種類:法令扱い:条件付き行う人:事業者

強烈な騒音を発する場所での業務では、事業者は労働者に使用させるため、耳栓その他の保護具を備える必要がある。

強烈な騒音を発する場所における業務
根拠の種類:法令扱い:条件付き行う人:事業者

対象業務で労働者に聴覚保護具の使用を命じた場合、事業者は使用が必要であることを、作業中の労働者が容易に分かる見やすい場所へ掲示する必要がある。

第595条第1項の業務で、事業者が労働者に耳栓その他の保護具の使用を命じた場合
根拠の種類:法令扱い:条件付き行う人:労働者

第593条第1項、第594条第1項、第594条の2第1項、第595条第1項の対象業務では、労働者は事業者から必要な保護具の使用を命じられたとき、その保護具を使用する必要がある。

対象業務に従事し、事業者から必要な保護具の使用を命じられた場合
根拠の種類:行政資料扱い:推奨行う人:事業者

厚生労働省の騒音障害防止ガイドラインでは、聴覚保護具はJIS T 8161-1の試験方法で測定された遮音値を目安に必要かつ十分なものを選び、周囲の音や会話を聞く必要がある場合は必要以上に大きい遮音値を選ばないよう配慮するとしている。

危険作業等で周囲の音を聞く必要がある場合や会話が必要な場合は、必要以上の遮音を避ける
根拠の種類:行政資料扱い:推奨行う人:事業者

厚生労働省の騒音障害防止ガイドラインの解説では、聴覚保護具は騒音発生源・伝ぱ経路対策で十分に低減できない場合に二次的に使用し、耳栓かイヤーマフかは作業と騒音の特性で選び、非常に強烈な騒音では両者の併用が有効としている。

根拠の種類:行政資料扱い:条件付き行う人:事業者

厚生労働省の騒音障害防止ガイドラインでは、手持動力工具を使用する業務について、等価騒音レベルが継続的に85dB未満である場合を除き、労働者に聴覚保護具を使用させるとしている。

手持動力工具を使用する業務 / 等価騒音レベルが継続的に85dB未満である場合を除く
根拠の種類:行政資料扱い:条件付き行う人:事業者

同じ振動障害予防対策指針では、90dB(A)以上の騒音を伴う対象作業で、耳栓または耳覆いを支給し、使用させるとしている。

振動障害予防対策指針の対象業務で90dB(A)以上の騒音を伴う場合
根拠の種類:メーカー資料扱い:必要行う人:作業者

Makita HM002Gでは、耳栓やイヤマフなどの防音用保護具を着用するよう指定されている。

Makita HM002Gを使用する場合
根拠の種類:メーカー資料扱い:必要行う人:作業者

Makita MUR015G/MUR016G/MUR017G/MUR018Gでは、保護帽、耳栓、保護メガネ・ゴーグル、防振手袋、先しん入りで滑り止め付きの安全靴、すね当てを着用するよう指定されている。

Makita MUR015G/MUR016G/MUR017G/MUR018Gを使用する場合

05 / 作業から確認

実際に行う作業のページを見る

06 / 根拠資料

確認した資料と場所

  1. 労働安全衛生規則第595条第1項 / 確認日 2026-09-02
    原典を確認する
  2. 労働安全衛生規則第595条第3項 / 確認日 2026-09-02
    原典を確認する
  3. 労働安全衛生規則第597条 / 確認日 2026-09-02
    原典を確認する
  4. 騒音障害防止のためのガイドラインの改訂について(令和5年4月20日 基発0420第2号)別添「騒音障害防止のためのガイドライン」7(1)ア / 確認日 2026-09-03
    原典を確認する
  5. 騒音障害防止のためのガイドラインの改訂について(令和5年4月20日 基発0420第2号)解説 4「7 作業管理」(1)ア〜オ / 確認日 2026-09-03
    原典を確認する
  6. 騒音障害防止のためのガイドラインの改訂について(令和5年4月20日 基発0420第2号)別紙2「定点測定による等価騒音レベルの測定」2・別紙3「個人ばく露測定」2 / 確認日 2026-09-02
    原典を確認する
  7. チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針について(平成21年7月10日 基発0710第2号)別紙10(2)「防音保護具」 / 確認日 2026-09-02
    原典を確認する
  8. 充電式ハンマ HM002G 取扱説明書p.11「充電式ハンマ安全上のご注意」警告1〜4 / 確認日 2026-09-02
    原典を確認する
  9. 充電式草刈機 MUR015G/MUR016G/MUR017G/MUR018G 取扱説明書p.18「草刈機安全上のご注意」保護具・服装 / 確認日 2026-09-02
    原典を確認する